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1:名無し
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2012/06/07 (Thu) 21:01:58
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連絡方法どころか名前すら不明。
ゴルゴ13以上の捕まらなさを誇る気潰れ作者氏に訊きたい事を呟くスレ。
ひょっとすると他の人が一緒に考えてくれたり…あわよくば……
そんな一縷の希望を抱くスレ。
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228:名無し
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2013/01/18 (Fri) 18:43:57
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息抜きにノコノコ(:::゚ω゚)
>>226
ライトノベルの定義自体が曖昧なので答え難いのですが、他の小説と同じく好きな物もあれば苦手な物もあります。
ただ、質問の趣旨からはやや外れますが、暴力系ヒロイン(暴力を振るうヒロイン)は
物語にとって物凄く危険な素材なので、扱う時は細心の注意をはらって動かします。
どういう事かと言うと、物語には様々なタイプ性格のキャラがいて、それぞれがそれぞれの役目を担って全体を構成しています。
中には暴力的なキャラも、醜悪なキャラもいて、でも全員が物語が正常に動くために働く歯車なわけです。
この歯車の性質、配置などは作者の裁量によって好きに組み合わせられるわけですが…
「暴力系ヒロイン」は配置の仕方によっては、全体を一発で瓦解させるぐらいの影響力を持っています。
上手に上手に、最高レベルに魅力的に配置してやらなければならない歯車の一つなんですね。
これはホラー系の脚本に進んだ小説倶楽部の同級生(と言っても年は20以上離れてるおじさん)が教えてくれたんですが、
人間は基本的に「理不尽な死」には恐怖を抱きますが、「理不尽な暴力」には怒りと嫌悪を感じるものなんですね。
善良なモブが、いきなり現れた殺人者に惨殺されたら恐怖系の感情を抱きやすいですが、
善良なモブが、いきなり現れたチンピラにボコボコにされて泣かされたら、多くの人は怒りや苛立ちを感じます。
勿論演出の性質によって効果は異なりますが、これはけっこう色んな脚本に使える法則です。
読者に怖がらせたいキャラは殺人描写を詳しく描写し、
読者に憎ませたいキャラは暴力描写を詳しく描写すればいい。
結果的に殺人になってもいいんです、とにかく暴力をリアルに粘着質に描写すればそのキャラは嫌われます。
ただし暴力にまっとうな「理由」があってはいけない。「理不尽」である事が暴力を醜悪に演出するコツです。
話がそれてきましたが、つまり「暴力系」というカテゴリーは、読者の怒り・嫌悪を引き出すのに抜群の効果を持っているという事。
で、暴力系ヒロインにはその素質があるわけですね。
そしていわゆる暴力系ヒロインの暴力と言うのは、主人公陣、特に物語の主人公本人に向かう事が多いように見受けられます。
主人公というのは、勿論違う場合もありますが、基本的に読者が感情移入したり、物語を見るための「主観レンズ」の役割を果たします。
この主人公に暴力を振るう人間は、基本的に読者にとっては「敵」に映るわけです。
暴力系ヒロイン(特にライトノベルに頻繁に現れる「恋人ヒロイン」)は、このハンデを持ったまま活躍しなきゃならんわけです。
勿論、暴力を振るう事に理由があったり、彼女達なりの正義や規範に基づいていればある程度は大丈夫。
もっと言えば主人公や仲間に暴力の矛先を向けなきゃいい。
お近や羅刹はそのあたりに結構気を使って作ったキャラです。
勿論、理由も動機もなく仲間に暴力を振るうヒロインも「アリ」です。物語は自由なものですから。
そういうキャラを上手に前面に押し出すのも手腕の一つです。
ただし、基本的に暴力系ヒロインは多くの読者にとって「不快」に映る事を念頭に置く必要があります。
その「不快」を解消するために策を講じるにも、無視して突っ走り、暴力系ジャンルを極めるにしろ、
作者は相応の努力をキャラクターに注がなければなりません。
別に描写や趣向を自重するわけではありません。手を抜かない、という事です。
暴力系ヒロインをより多くの読者に受け入れさせるために、キャラを魅力的に、暴力を赦せるぐらい美しく仕上げるか、
多少の拒絶は覚悟の上で、とことん暴力的に、邪悪なキャラクターとして完成させるか、
あるいは不快に思われる状態を完成体として、そのままの立ち位置で固定するか。
作者としてのキャラメイキングの姿勢をしっかり持たなければいけません。
ここで手を抜くと、多分作者自身が辛い状況になると思います。
暴力系ヒロインを可愛い魅力的なキャラとして描いたはずのに、読者からクズ扱いされて凹むとか、
軽いギャグのつもりで暴力を振るわせてたらいつの間にか完全に滑って読者に見放されていたとか。
そういう人を結構知ってます。「俺の作品と商業作品の●●●と何が違うんじゃー!」ってね。
長々と薀蓄を垂れてきましたが、まぁ殆ど件の同級生の受け売りなわけでw
暴力系ヒロインはとにかく扱いが難しいキャラなので、作者としては「苦手」だとしか。
読者としては、上手に料理されたキャラは何でも好きなんですけどね。当たり前ですが。
私自身アンドリューの連中を書くとき、色んなことを覚悟して全力で臨んだわけですが、
ご存知の通り予想外な方向から剣が飛んできて凹みまくったわけで。
アレを思うと、どんなにキャラを煮詰めても読者に拒絶されるジャンルというのは、あると思います。
それでも好きなものを書くから「作り手」なわけで。
暴力系ヒロインを扱う人々には、勝手ながら親近感とエールを送っています。
もっとも、ろくな理由もなく人をぶん殴る奴はどう足掻いてもクソ野郎なので。
非難されてキレる輩は黙って精進しやがれと思います。と、最後に毒を吐く。